こんにちは!新聞広告ラボです。
今回は新聞の選挙広告について解説します。
一般的な広告とは違い、選挙広告には細かい規制があります
はじめに
選挙広告には、細かい規制があります。
公職選挙法と公職選挙法施行規則は、
選挙の種類ごとに広告表現、掲載方法などを細かく規定しています。
選挙の種類、広告の種類はしっかりと把握しておきましょう。
入口を間違えると混乱のもとになります。
まずは「何選挙の何広告」なのかを必ず確認してください!
衆議院総選挙
衆議院総選挙の広告は
A:候補者広告(小選挙区選挙)
B:候補者届出政党広告(小選挙区選挙)
C:名簿届出等政党広告(比例代表選挙)
の3種類あります。
いずれも広告料金は国庫支払いの広告ですが、
「C:名簿届出政党等広告」に限り、
当該選挙区における得票総数が有効投票総数の100分の2に達しない場合は
広告主(名簿届出政党等)の支払いになります。
A:候補者広告(小選挙区選挙)
広告主体=小選挙区選挙の立候補者です。
<回数>
5回
<1回当たりの広告の寸法>
横9.6cm、縦2段組み以内
<必要書類>
「新聞広告揭載証明書」
「新聞広告揭載承諾知書」
B:候補者届出政党広告(小選挙区選挙)
広告主体=当該都道府県における候補者届出政党です。
候補者の数によって、<合計段数><回数>は以下のように変わります。
<1回当たりの広告の寸法>
横おおむね9.6cm、縦1段組みの寸法の整数(2以上のものに限る)倍の寸法(その形態が長方形であるものに限る)とし、横38.5cm、縦15段組みの寸法以内でなくてはいけません。
<必要表示>
「当該都道府県における衆議院小選挙区選出議員の選挙に関する広告である旨」の表示が必要です。
<必要書類>
「新聞広告掲載証明書」(1段4分の1の寸法ごとに1枚)
「新聞告掲載承諾通知書」(1回の掲載ごとに1枚)
C:名簿届出等政党広告(比例代表選挙)
広告主体=当該比例代表選挙区における名簿届出政党等です。
<合計段数><回数>は以下の通りです。
<1回当たりの広告の寸法>
横おおむね9.6cm、縦1段組みの寸法の整数(2以上のものに限る)倍の寸法(その形態が長方形であるものに限る)とし、横38.5cm、縦15段組みの寸法以内でなくてはいけません。
候補者届出政党広告と同じですね!
<必要表示>
「当該選挙区における衆議院比例代表選出議員の選挙に関する広告である旨」の表示が必要です。
<必要書類>
「新聞広告掲載証明書」(1段4分の1の寸法ごとに1枚)
「新聞告掲載承諾通知書」(1回の掲載ごとに1枚)
候補者届出政党広告と同じですね!
参議院通常選挙
参議院通常選挙の広告は
D:候補者広告(選挙区選挙)
E:名簿届出政党等広告(比例代表選挙)
の2種類です。
いずれも広告料金は国庫支払いの広告ですが、
「E:名簿届出政党等広告」に限り、
当該選挙における得票総数が有効投票の総数の100分の1に達しない場合は
広告主(名簿届出政党等)の支払いになります。
衆議院総選挙は「100分の1」でしたね
D:候補者広告(選挙区選挙)
広告主体=選挙区選挙の立候補者です。
<回数>
5回(合同選挙区は10回)
<1回当たりの広告の寸法>
横9.6cm、2段組み以内
<必要書類>
「新聞広告掲載明書」
「新聞広告載承諾通知書」
E:名簿届出政党等広告(比例代表選挙)
広告主体=名簿届出政党等です。
<合計段数><回数>は以下の通りです。
<1回当たりの広告の寸法>
横おおむね9.6cm、1段組みの寸法の整数(2以上のものに限る)倍の寸法(その形態が長方形であるものに限る)とし、横38.5c、縦15段組みの寸法以内でなくてはいけません。
<必要書類>
「新聞広告掲載証明書」(1段4分の1の寸法ごとに1枚)
「新聞広告掲載承諾通知書」(1回の掲載ごとに1枚)
都道府県知事選挙
広告料金は都道府県支払いの広告です。
候補者広告の広告主体=立候補者です。
<回数>
4回
<1回当たりの広告の寸法>
黄9.6cm、縦2段組み以内
<必要書類>
「新聞広告掲載証明書」
「新聞広告掲載承諾通知書」
市町村長、自治体議員選挙
広告料金は立候補者支払いの広告です。
候補者広告の広告主体=立候補者です。
<回数>
2回
<1回当たりの広告の寸法>
横9.6cm、縦2段組み以内
<必要書類>
「新聞広告掲載証明書」
特別選挙(各選挙の再選挙、補欠選挙など)
衆参両院の比例代表選挙の一部無効による再選挙の規定を除き、
それぞれ行われる選挙の種類ごとの規定と同一です。
選挙広告の注意点8選
続いて、選挙広告を掲載する際の注意点を8つ紹介します。
コレを破ると掲載NGになってしまうので必ずチェックしましょう
掲載時期は立候補の届出日翌日から、投票日前日まで
掲載時期は立候補の届出日翌日から投票日の前日まで。その前後での掲載はNGです。
届出日の「当日」ではなく「翌日」なのは、届出の提出が完了して初めて掲載できる権利をもらえるからですね
新聞広告掲載証明書の提出は忘れずに
「新聞広告掲載証明書」の提出は、すべての選挙で必須です。
新聞社は候補者の氏名や政党等の名前が一致しているか点検してから掲載します。
新聞社には、必ず原本を出しましょう
掲載場所は記事下のみ&カラーNG
「公職選挙法施行規則」は「新聞広告は、記事下に限るものとし、色刷りは認めない」としています。
同一日付の同一新聞で複数掲載するには①
候補者届出政党または衆(参)議院名簿届出政党等広告で、独立性を有し、一体としての効用を発揮しなければ、同一日付の同一新聞で面を変えて、合討寸法で縦15段組み以上、たとえば縦10段組み広告を2本掲載できます。
同一日付の同一新聞で複数掲載するには②
同一候補者の広告で、それぞれが独立していれば同一日付の同一新聞に複数掲載できます。ただし、複数倍のスペースではできません。
ケースによって新聞社が処罰される可能性も
規定以外の新聞広告を掲載した際、新聞社は処罰されませんが、共犯と認定されれば処罰されます。
広告を併載する際は、それぞれ独立していないとNG
選挙広告を2以上併載する場合は、それぞれ独立した体裁・表現のものでなければなりません。
文章や写真がまたがっている内容はNGです。
掲載OK・掲載NGの選挙広告例
候補者広告、名簿届出政党広告、政党広告(私費)をドッキングして併載することができます。
ただし、その場合には、上記のとおりそれぞれ独立した広告として明確に区分してください。
<掲載OKの例>
候補者と政党広告が明確に分けられているので掲載OKです
<掲載NGの例>
2種類の広告の線引きがあいまいになっているため、掲載NGです
おわりに
選挙において、広告は勝敗に直結する重要な手段です。
それだけに、これまで見てきたように
選挙広告には通常の広告には無い、
細かい種類分けやルール設定がされています。
その特性やルールを見極めたうえで、
広告代理店や新聞社など、新聞広告の専門家と連携をして
効果的な選挙広告を検討しましょう。
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