こんにちは!新聞広告ラボです。
今回は、公職選挙法違反とみなされる新聞広告について
注意すべき点を紹介します。
選挙広告に携わる人は、法律違反にならないために必ず押さえておきましょう!
「選挙運動」「政治活動」「事前運動」とは
はじめに、
・選挙運動
・政治活動
・事前運動
について解説します。
選挙広告は、まず用語の理解がとても重要です!
似ているようでも意味合いは全く違うので要注意です!
広い意味では「選挙運動」も「政治活動」の一部となりますが、
公職選挙法では「選挙運動」と「政治活動」を下記のように区別しています。
特定の選挙に、特定の候補者の当選をはかることを目的に投票行為を勧めること。
政治上の目的をもって行われるいっさいの活動から、選挙運動にわたる行為を除いたもの。
また、公職選挙法では、選挙運動ができるのは、
立候補の届け出のあった日から、投票日の前日まで
と定められています。
それ以前の選挙運動は、事前運動として禁止されています。
選挙運動可能期間よりも前に行う選挙運動のこと=公職選挙法違反
選挙運動とは、たとえば戸別訪問や個々面接、電話による投票依頼、名刺配布など、選挙に関わるあらゆる活動が挙げられます。
では、いったい「事前運動」と言われる期間はいつでしょうか。
公職選挙法では、たとえば「選挙の〇カ月前の運動は『事前』扱い」
などの規定はありません。
つまり、極端に言うと
前回の選挙が終わった直後=次回選挙の事前運動期間に突入
ということになります。
この事前運動の広告としてみなされると
公職選挙法違反となってしまいます。
公職選挙法違反とみなされる広告事例10選
では、どのような広告が事前運動=公職選挙法違反になるのでしょうか。
ここでは、公職選挙法違反とみなされる広告事例について解説します。
いずれも通年注意すべき広告です。
思わぬ落とし穴にはまらないよう、くれぐれも注意してください!
「あいさつ広告」はNG
公職者または公職の候補者になろうとする人が広告料金を支払ってする「あいさつ広告」は通年禁止されています。
<あいさつ広告の例>
・年賀
・寒中、暑中見舞い
・慶弔
・激励
・感謝
・自らが喪主となった会葬御礼広告 等
あいさつ広告を求めた人にも刑罰が科されます
候補者の推薦決定広告はNG
政党、労働組合、後援会などが、候補者の推薦決定を告知する広告は違反となります。
立候補の通知やあいさつ表現が入っている広告はNG
立候補の通知はもちろん、直接的に「立候補します」という文言がなくても
立候補につながるような表現が入っている広告はNGです。
候補者の名前が大きすぎる広告はNG
営業広告などであっても、常識以上に候補者の名前が大きく記載している広告はNGです。
「面積の〇割以上」というガイドラインはないため、都度審査されます
「特定選挙区の立候補予定者」「特定政党の公認予定立候補者」を示す広告はNG
特定選挙区の立候補予定者または特定政党の公認予定立候補者であることを示す広告はNGです。
「〇区は△△さん」のような明示的な内容はもちろん、個人名が入っていなくても特徴が判るような暗示的な内容でもアウトです
投票日当日に掲載する、選挙運動にわたるものとして判断された政党広告はNG
たとえば10月17日が投票日のときに、A党の政党広告として
「10月17日はやっぱりA党、あなたのためにがんばります。A党」
のような政党広告は、選挙運動にわたるものとして違反になります。
ただし、現実には投票日当日に政党広告を掲載しているケースが何度もありました
特に、2016年7月10日の参院選当日は、
各党の政党広告が各新聞に掲載されたことで大いに話題になりました。
ツイッター等のSNS上でも
どう見ても公選法違反では?!
との声が相次ぎました。
<参考記事(HUFFPOSTより)>
自民党などの広告、参院選投票日の朝刊に掲載「これって違法?」調べてみた | ハフポスト (huffingtonpost.jp)
投票日当日の新聞広告は、選挙運動ではなく「私費での政党広告」という扱いで掲載しているようですが‥
選挙運動と政治活動の境界はとても曖昧で、明確なガイドラインはありません。
選挙の度に大きな争点のひとつになっているので、
いずれ司法の判断が下ることになるかもしれません‥。
立候補辞退の広告はOK
立候補辞退の広告はOKです。
ただし、第三者の選挙運動を有利にするものではなく単なる辞退表明に限ります
候補者=著者の新聞広告は「内容による」
候補者=著者の新聞広告は、純粋に書籍広告ならば合法ですが、
脱法行為として判断される場合もあります。
・時期
・内容
・数量
・文字の大きさ
等から判断して、社会通念上妥当かどうかによって決まります。
政治家の本の出版タイミングを調べると、「本当の意図」に気が付くかも?
選挙運動の期間中に限って氏名を表示する広告はNG
通常の営業広告には氏名を表示していないのに、選挙運動の期間中に限って氏名を表示する広告はNGです。
「候補者=ふだんから新聞広告を出している
広告主」のときに当てはまりますね
当選御礼&落選あいさつはNG
当選の御礼や、反対に落選のあいさつ広告はNGです。
まとめ
選挙は、国の指針を決める最重要イベントです。
だからこそ、その告知方法や期間には細かいルールが存在しています。
投票する人、告知をする人、選挙に出る人。
誰もが公正に選挙を行えるよう、選挙広告についてしっかりと学んでいきましょう。
【選挙運動とは】
特定の選挙に、特定の候補者の当選をはかることを目的に投票行為を勧めること。
【政治活動とは】
政治上の目的をもって行われるいっさいの活動から、選挙運動にわたる行為を除いたもの。
【事前運動とは】
選挙運動可能期間よりも前に行う選挙運動のこと。公職選挙法違反。
【公職選挙法違反とみなされる事例10選】
①「あいさつ広告」はNG
②候補者の推薦決定広告はNG
③立候補の通知やあいさつ表現が入っている広告はNG
④候補者の名前が大きすぎる広告はNG
⑤「特定選挙区の立候補予定者」「特定政党の公認予定立候補者」を示す広告はNG
⑥投票日当日に掲載する、選挙運動にわたるものとして判断された政党広告はNG
⑦立候補辞退の広告はOK
⑧候補者が著者の新聞広告は「内容による」
⑨選挙運動の期間中に限って氏名を表示する広告はNG
⑩当選御礼&落選あいさつはNG
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